
ユニットバスの排水が突然流れなくなると、浴槽と洗い場の両方が使えず困ってしまいます。原因の多くは排水口に溜まった髪の毛や石鹸カスですが、放置すると悪臭や逆流、水漏れに発展することも。
ここではユニットバス詰まりの原因と自分でできる解消法、プロに頼む判断基準、再発させない予防策まで現場経験豊富な水道修理の専門家が分かりやすく解説します。
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ユニットバスが詰まる主な原因
髪の毛と石鹸カスの蓄積
浴室では毎日の洗髪で抜け落ちた髪の毛が排水トラップに絡みつきます。さらにシャンプーやボディーソープの残りカスが粘着剤となり、髪の毛を固めてしまうため、水の流れが著しく低下します。ぬめりがヘドロ化すると配管の内径が狭まり、少量の水でも簡単にあふれる状態になります。放置期間が長いほど薬剤だけでは溶けにくくなるのが特徴です。
排水トラップ内部の汚れ
ユニットバスは浴槽と洗い場が合流する構造です。ヘアキャッチャーの下にある封水筒や椀トラップに汚れが付着すると、見た目では分かりにくい奥の部分で詰まりが進行します。封水が失われると下水臭が上がるおそれもあり、早期の分解掃除が欠かせません。
固形物や異物の混入
カミソリのキャップ、シャンプーボトルのポンプ部品など硬い異物が落下すると配管のカーブ部でスタックします。異物自体が堆積物をせき止める土台になるため、短時間で逆流するケースが多発します。固形物は薬剤やラバーカップでは除去できないことがほとんどで、ワイヤーや高圧洗浄、場合によっては配管交換が必要です。
自力でできる詰まり解消法
熱湯+タオル圧力法
60℃程度の湯をバケツにくみ、高所から勢いよく排水口へ注ぎます。同時にタオルで排水口を塞いで一気に引き抜くと、水柱の圧力で軽い詰まりを崩せます。配管素材が塩ビの場合は熱湯による変形を防ぐため、90℃以上の湯は避けてください。
薬剤クリーナーの正しい使い方
市販のパイプクリーナーは粘度が高く髪の毛を溶かす成分を含みます。換気を行い、排水口の水面に触れないようゆっくり注ぎ、30分以上放置した後に大量の水で洗い流します。規定量より多く入れても効果は変わらず、むしろ薬剤が残留すると配管を傷めるため注意しましょう。
ラバーカップとワイヤーの活用
浴槽に水を5cmほどため、排水口にラバーカップを密着させてゆっくり押し、勢いよく引く動作を数回繰り返します。水圧で詰まりを動かせなかった場合は、被膜ワイヤーブラシを挿入して異物を引っ掛けて取り出します。強引に押し込むと詰まりが奥へ移動し、修理費が高額化するため慎重に操作してください。
排水トラップ分解掃除の手順
必要な工具と安全準備
ゴム手袋、マイナスドライバー、古歯ブラシ、中性洗剤を用意し、作業前に浴室のブレーカーを落とし換気扇を回します。滑り止めマットを敷くと転倒事故を防止できます。
分解・洗浄・組み立てのポイント
カバー→ヘアキャッチャー→封水筒の順に反時計回りで外し、髪の毛とぬめりをブラシで除去します。パーツの向きやパッキン位置を写真に残しておくと組み戻しが確実です。最後に1分間シャワーを流して漏水や逆流がないかチェックすれば完了です。
プロに依頼すべきサインと費用目安
DIYで改善しないケース
薬剤を2回使用しても水位が下がらない、ラバーカップが効かない場合は配管の更に奥が閉塞している可能性が高いです。無理に作業を続けると配管破損や階下漏水につながります。
緊急性が高いトラブル例
浴室床から汚水が逆流する、複数の水まわりが同時に詰まる、異物を落としてしまった直後などは早急に専門業者へ相談してください。都内相場は基本料金8,000〜12,000円+作業費で合計15,000円前後が目安です。
詰まりを防ぐ日常メンテナンス
ヘアキャッチャーと定期掃除
週1回の髪の毛取りと月1回のパイプクリーナーでほとんどの詰まりは予防できます。ヘアキャッチャーが目詰まりすると封水が切れやすいのでこまめに交換しましょう。
環境に優しい予防クリーニング
重曹100gとクエン酸50gを排水口へ投入し、ぬるま湯を注ぐと発泡反応で配管内のヌメリを剥離できます。薬剤に抵抗があるご家庭でも安心して使える簡易メンテナンスです。浴室乾燥機を使って湿度を下げるとカビやバイオフィルムの発生を抑え、詰まりの原因となるヘドロを減らせます。排水口周辺を最後に冷水で流すだけでも石鹸カスの固着を防止できます。
まとめ
ユニットバスの詰まりは髪の毛と石鹸カスの蓄積が主因です。熱湯の圧力や薬剤、トラップ掃除で多くは解消できますが、固形物や奥の閉塞は専門業者の高圧洗浄が安全確実です。症状を悪化させないためにも流れが悪いと感じた時点で早めに対処し、定期的な予防クリーニングを習慣にしましょう。もし緊急でお困りの際や作業に不安がある場合は、水まわり一筋の私たちにいつでもご相談ください。小さな手間の積み重ねが高額修理を防ぐ最善策です。日々の習慣化で清潔と安心を保ちましょう。