
節水型トイレは、環境保護や経済的な節約を目的として、多くの家庭や施設で導入されています。その特性から、従来のトイレとは異なる問題や疑問が生じることがあります。中でも「詰まり」は、節水型トイレのユーザーにとって大きな悩みの一つです。
この記事では、節水型トイレが詰まる主な原因と、その効果的な対処法について詳しく解説します。

節水トイレのメリット

一般社団法人 日本レストルーム工業会のプレスリリースによると洗浄水量が6L以下の節水トイレの出荷台数は2020年時点で3,000万台を突破し、普及率は36%まで上昇しているとのことです。
従来のトイレは、水を流したとき便器内へ大量の水が縦方向に出て汚物を押し流していました。最新の節水トイレでは便器内へ渦巻き状に水が流れ、少ない水量でも効率よく洗浄できる設計になっています。
各ブランドごとに独自の技術や機能が搭載されており、ユーザーのニーズに合わせて選ぶことができます。例えば、渦巻き洗浄で汚れをしっかり落とすタイプや、音を抑えた静音設計のものなど、多岐にわたる特徴があります。
選び方のポイントとしては、使用頻度、設置場所、予算などを考慮し、評価や口コミも参考にすると良いでしょう。
節水効果と環境への貢献
節水型トイレは、従来のトイレに比べ、使用する水の量を大幅に削減できます。これにより、水資源の使用量削減や水道料金の節約が期待できます。
また、水の使用量を減少させることで、地球環境の保護にも寄与します。特に水資源が乏しい地域や場所での節水型トイレの導入は、非常に意義深いです。
経済的な節約効果
節水型トイレの導入には初期投資が必要ですが、長期的には水道料金の削減により、そのコストを回収できるでしょう。大家族や多人数の使用が多い場所では、節水効果による経済的なメリットが顕著です。
デザインや機能性
近年の節水型トイレは、機能性だけでなく、デザイン性にも優れています。
シンプルで洗練されたデザインのものから、高級感のあるデザインまで、幅広い選択肢があります。また、最新の節水型トイレには、便座の温度調整機能や自動洗浄機能、節電モードなど、多くの便利な機能が搭載されています。これらの機能により、快適なトイレタイムを実現することができます。
価格の違いについては、搭載されている機能やブランド、デザインによって異なりますので、予算や希望する機能を考慮して選ぶと良いでしょう。
節水トイレが詰まる主な原因
節水トイレが詰まる原因は多くありません。
トイレットペーパーや排泄物の影響
節水型トイレは水の使用量が少ないため、トイレットペーパーの量が多いと詰まりやすくなります。
また、排泄物の固形分が多い場合も詰まりのリスクが高まります。適切な量のトイレットペーパーを使用し、便の時やペーパーを使った時は、洗浄レバーまたはボタンの「大」側でしっかり水を流すことが大切です。
「大」での洗浄でも節水能力は十分に備えていますので、詰まりを防ぐためにも排泄状況で洗浄レバーやボタンの「大 / 小」を上手に使い分け、きちんと流しましょう。※大/小などの洗浄切り替えがないタイプもあります。
排水管の構造と節水トイレの関係
節水型トイレは、水量が少ないゆえに排水管の構造や角度によって詰まりやすくなることがあります。特に、排水管の勾配が不適切であったり、古い建物の排水管では管内の汚れ、配管の歪みなどの影響で詰まりのリスクが高まります。
自分でできる詰まりの解消方法
トイレの通常の使用で詰まりが起きたとき、ご自身でできる詰まりの解消方法をここではふたつ紹介します。
重曹とお酢を使用した方法
トイレが詰まった際の簡単な対処法として、重曹とお酢を使用する方法があります。
- トイレの水を少し抜き、便器内の半分以下程度になるようにします。
- 重曹150gを均等に便器内に散布します。
- その後、お酢100mlをゆっくりと注ぎ入れます。
- 約30分放置した後、トイレの水を流します。
ワイヤーブラシを使用した方法
ワイヤーブラシは、ラバーカップでは取り除けないS字部分の汚れを直接除去するのに役立ちます。定期的な清掃にワイヤーブラシを使用することで、詰まりの予防にも繋がります。
これらの方法で詰まりが解消されない場合、プロの業者に依頼することをおすすめします。
節水トイレ使用時の注意点
節水トイレに限った話ではなくトイレ全般に言えることではありますが、下記の点は常に気をつけてほしいです。
正しい使用方法とは
節水型トイレを長持ちさせるためには、正しい使用方法を知ることが重要です。
- トイレットペーパーは必要最低限の量だけ使用し、大量のペーパーを一度に流すのは避けましょう。
- 生理用品やウェットティッシュ、猫砂などの異物を流さないように注意します。
- トイレの清掃はこまめに行い、トイレ専用の洗剤を使用して、節水型トイレ特有の部品や構造を傷つけないように優しく洗浄します。
トイレの清掃とメンテナンスの重要性
定期的なトイレの清掃やメンテナンスは、詰まりを予防するだけでなく、快適な使用感を保つためにも必要です。特に節水型トイレは詰まりやすい特性があるため、こまめなケアが求められます。
節水トイレに関するよくある質問
Q1:節水トイレの寿命はどれくらいですか?
A1:節水トイレの寿命は、一般的に10〜15年と言われています。この期間は、製造メーカーやモデルによっても異なる場合があります。
使用頻度や水質、トイレのメンテナンス状況によっては、この期間よりも長く持つことも十分考えられます。定期的な清掃や、適切な使用方法を守ることで、寿命をさらに延ばすことが可能です。
Q2:節水トイレと通常のトイレのコストの違いは?
A2:節水トイレは、技術的な進化や特別な部品を使用しているため、初期投資としては通常のトイレに比べて高価な場合が多いです。
しかし、節水トイレの最大のメリットは、水道料金の節約です。長期的に見れば、節水効果による水道料金の削減で、初期投資の差額を回収することが期待できます。
Q3:節水トイレのデメリットは何ですか?
A3:節水トイレのデメリットとして、最もよく指摘されるのは、水の流れが弱いために詰まりやすいことです。
特に大量のトイレットペーパーを使用した場合などには注意が必要です。また、節水トイレ特有の部品や構造のため、部品の故障や交換が必要になった際に、専門的な知識や技術が求められることもあります。
Q4:節水トイレの水の流れを強くする方法はありますか?
A4:節水トイレの中には、水の流れの強さを調整できるモデルも存在します。この機能を活用することで、流れを強くすることができます。
また、市販されている専用の部品を取り付けることで、流れを強化することも可能です。しかし、改造や部品の取り付けは、専門家のアドバイスや施工を受けることを強くおすすめします。
Q5:節水トイレのクリーニング方法は?
A5:節水トイレのクリーニングは、基本的には通常のトイレと変わりません。トイレ専用の洗剤やブラシを使用して、定期的に清掃を行うことが大切です。
ただし、節水トイレには特有の部品や構造があるため、それらを傷つけないように、やさしく洗浄することが重要です。
特に、節水機能に関わる部分は、汚れや詰まりが原因で機能しなくなることがあるので、注意深く手入れを行いましょう。
